寿報7

寿楽寺便り『寿報』第7号
寿楽寺檀信徒のみなさんへ。
このお便りを書きはじめてから、すでに第7号になります。時が経つのは早いものですね。
今回は寿楽寺の池の真ん中に和やかなお顔で立っていらっしゃる『観音様』のお話です。

子供さんでも知っている『西遊記』。三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄と一頭の馬がありがたい経典を求めて『妖怪』たちと戦いながら、天竺まで旅をして再び中国へ帰ってくるお話です。
この『西遊記』に出てくる三蔵法師の原型は法相(ほっそう)・唯識(ゆいしき)の大家で『大般若経六百巻』を始めたくさんの経典を漢訳した『玄奘三蔵』というお坊さんです。この『玄奘三蔵』は実際に天竺に向かう途中、盗賊に襲われて命の危険を感じた時に『ひたすら観音様を念じ助かった』と伝記に書かれています。
生命の危険までいかなくても、思い通りにならない人生の中で避けて通りたいこと、病気を治したい、どうしても今お金が必要だ、等々。
神様・仏様にすがりつきたい事、お願いしたい事がたくさんあるはずです。

そんな時は、思いっきり観音様にお願いすればいいのです!!!
こんな身勝手なお願いをしてもいいのか!?と迷っても、遠慮なくおすがりしてみることです!!!
その願いが、身勝手な願いかどうかは、観音様が判断してくれます。
恥も外聞も捨てて観音様に一心に手を合わせ祈ってみてください。
その祈りが身勝手なものでなければ、観音様は必ず聞き届けてくださいます。

そして願いを叶えて頂いた後がとても大切です。
今度は私たちが『誰かの観音様』になることです。
苦しくて、辛くて観音様におすがりしたことを忘れずに、観音様がなんでも聞き届けてくださったことを思い出すこと。
そして、困っている人の話を聞き、共に悩み、励ましてあげる聞き手になることです。
その人の愚痴を聞き、うなずき、共感してあげられる観音様になることが大切です。
『あなた自身が誰かの観音様になること』が観音様への恩返しなのです!!!

皆さんの菩提寺寿楽寺には、季節ごとに桜、蓮の花、こぶしの花に彩られる観音様が
池の真ん中で皆さんが来るのを待っていらっしゃいます。
観音様は皆さんの悩みを聞き、我々を救うために三十三の違うお姿に変化して現れます。
そのことを忘れないでください。
結びに。
新型コロナウイルスの拡大が心配され、暖冬で雪不足、冬物野菜の成長過多など心配なことは
つきません。事件・事故も後を絶たず。せめて一日一度深い深呼吸をして心を鎮め、神仏に手を合わせ
ご先祖様に感謝する余裕を持ちたいものです。
寿楽寺 住職 光雅 拝

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