寿報8号

寿報第8号
新型コロナウイルス感染拡大;パンデミックに思うこと。
現在、高野山真言宗総本山 金剛峯寺の宗祖弘法大師 空海さまがご入定されていらっしゃる『奥の院』にて5月初旬より『病魔退散、医療従事者支援』の護摩が毎日修されています。
この護摩は、新型コロナウイルスの感染終焉まで継続することになっています。

『この医学・科学万能の時代に、護摩を修す?』とお考えをお持ちの方も少なくないと思います。
しかし、次のような事実が報告されています。

東日本大震災によって家族、友人を突然失った方々が、幽霊や怪奇現象を見るようになったと産経新聞に掲載されました。それに対して、被災者の人々は精神的にダメージを受けられて『PTSD』や『トラウマ』になったから『家族や友人の幽霊を見る』と、精神医学や臨床心理学では診断したそうです。
この診断に対して有名な公立の精神科救急医療センター長だった先生は、幽霊を見せているのは幽霊を見せているのは『サバイバーズ・ギルト』だとおっしゃっています。
『PTSD』は災害の恐怖が頭の中で再び立ち上がってくる現象で、『PTSDによって幽霊は見ない』と断言されています。
『サバイバーズ・ギルト』と何かというと。
『家族や友人は亡くなったのに、自分だけ生き残ってしまったという後ろめたさ』のことだと言います。
その罪の意識が被災された方々に幽霊を見させているというのです。

また、東日本大震災であっという間に命を奪われた方々は、ご自分たちの死に納得していないのではないかと考えられます。その方たちの魂が『幽霊』として存在しても不思議はないと思います。
有名な禅僧 沢庵禅師は『中有(ちゅうう)は眼・耳・鼻・舌・身を持たないが、
感覚は残っている。
外から見えないが、中有本人は生きている感覚を持っている。形ははっきりしないので、見えにくい』
沢庵禅師の言う『中有』とは『幽霊』を指し、その存在を認めています。
すなわち、生き残った者たちの『サバイバーズ・ギルト』と仏教が認める『中有』の存在が同調して『幽霊を見る』『怪奇現象を体験する』ことになったといえるのではないでしょうか。

その解決方法として 科学・医学ではなく宗教が重要視されました。
宗教が何を行ったかというと
宗教宗派の垣根をこえて、『サバイバーズ・ギルト』を抱えている人々のために
自分だけ生き残ってしまったという罪の意識を軽減する一助として
非業の死をとげられた方々の『供養』や『鎮魂儀式』や『回向』を執り行い
同時に『中有(幽霊)の成仏』を祈ることを行いました。
そして精神的に救われた方もたくさんいるという事実です。
明らかに医学・科学でないと新型コロナウイルスワクチンは作れません。
祈ること、拝むことで新型コロナウイルスに対抗できるなどいう宗教者は信用できません。だから、今まさに『医学・科学・宗教』の協力体制が求められているのではないでしょうか。協力体制の一端を担うために『病魔退散、医療従事者支援』の護摩が毎日修されているのです。私も微力ではありますが、寿楽寺ご本尊 金剛界・大日如来さまを拝し奉って『般若心経』をお唱えするときに、コロナ早期終息と医療従事者の安全を祈念させて頂いています。
皆様も経済面、健康面で不安や心配に襲われることもあるかと思います。
そんな時こそ
『祈りの力』を信じて両手を合わせ『静かな心』を取り戻してみてください。
住職 合掌。

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